おはようございます。まさきんです。
我が家では子どものドリルを毎晩7枚ほど刷っています。そのインク代を「1枚いくら」で測ってみたら、カタログ値とだいぶ違う数字が出ました。今回はその測り方と、モノクロレーザーへ替えるべきかの損益分岐をまとめておきます。
※記事公開時点の情報です。最新の条件は公式サイトでご確認ください。
- インクジェットの黒インクを実測したら1枚あたり約13〜33円で、カタログ値の約2.0円とは6〜16倍の差があった
- 原因の本命はインクの消費ではなく、深夜に7回プリンタを起こしていたことによるヘッドクリーニングだった
- モノクロレーザーの損益分岐は2〜6か月と短い。ただ、先に運用を直して様子を見る方を選んだ
- 残量は「見た目」ではなく数字で読む。累計枚数と残量%の2つがあれば1枚単価は出せる
なぜ今、1枚単価を測ったのか
きっかけは黒インクだけが先に減ることでした。カラーの3色は91%残っているのに、黒だけ12%。9月頭に4色まとめて新品に替えたばかりです。2週間半でこれは早すぎると感じました。
我が家の印刷は、ほとんどが子どものドリルです。毎晩AIが生成して、深夜に自動で刷る運用にしています。1日7枚として、年に2,500枚ほど。家庭としては多い方だと思います。
これだけ刷るなら、インク代は固定費に近い性格です。感覚ではなく数字で見ておきたい。そう思って、カタログ値と実測値を並べてみることにしました。
カタログの「約2.0円/枚」は何の数字か
使っている複合機はブラザーのMFC-J7300CDWです。公式ページのランニングコストは、A4モノクロ文書で約2.0円(税込)/枚と書かれています。使用カートリッジは大容量のLC412XLシリーズです。
この2.0円は、ISO/IEC 24734という標準の印字パターンで測った値です。カートリッジ代だけを、公称の印刷可能枚数で割ったものですね。黒の大容量LC412XLBKは公式通販で5,698円(税込)、約3,000枚とされています。割り算すると確かに2円弱になります。
ただ、この計算には「クリーニングで捨てるインク」が入っていません。連続で大量に刷る前提なので、家庭の使い方とは条件がずれます。ここがあとで効いてきます。
残量を「数字」で読む方法
1枚単価を出すには、2つの数字が要ります。累計の印刷枚数と、カートリッジの残量%です。どちらもプリンタが内部に持っています。
本体の液晶やメーカーのスマホアプリでも残量は見られます。ただ、多くの機種で表示は目盛りだけです。数字までは出ません。そこで僕はMacからネットワーク経由で読みました。
プリンタは管理用の情報をネットワークに公開しています。累計枚数は標準の項目にあり、そのまま読めました。一方で残量は、標準の項目だと「不明」しか返してきません。メーカー独自の項目を探して、ようやく黒・イエロー・シアン・マゼンタの%が取れました。
ここは少し手間です。とはいえ、一度読めるようにしておくと便利ですね。交換日と累計枚数をメモしておけば、次からは割り算だけで済みます。
| 読みたい数字 | どこから読むか | 我が家の値(9/26時点) |
|---|---|---|
| 累計印刷枚数 | プリンタの標準の管理情報 | 1,808枚 |
| 黒インク残量 | メーカー独自の管理情報 | 12% |
| カラー3色の残量 | 同上 | 各91% |
| 交換後の印刷ジョブ数 | パソコン側の印刷ログ | 約150〜160件 |
実測の結果は約13〜33円/枚
計算式は単純です。
- 交換からの経過で「減った%」を出す(100% → 12% なので88%)
- 同じ期間に「増えた枚数」を出す(印刷ログで約150〜200枚)
- カートリッジ価格 × (減った% ÷ 100) ÷ 増えた枚数
黒の価格は2通りで見ました。4色パックの按分で約2,900円、単品なら5,698円です。すると1枚あたり約13円から約33円という範囲になります。
カタログの約2.0円と比べると、6〜16倍です。正直、最初は計算を疑いました。ただ、何度見直しても数字は変わりません。公称3,000枚分のインクの88%を、200枚以下で使い切っていた計算です。
犯人はインクではなくクリーニングだった
ここで一度立ち止まりました。200枚でこれだけ減るなら、印字以外でインクが消えているはずです。
インクジェットには自動ヘッドクリーニングがあります。スリープから復帰したときや、電源が入ったときに走るのが一般的な挙動ですね。この動作でインクを少し捨てます。
我が家の深夜印刷を見直したら、ドリル7本が別々のジョブとして5分刻みで送られていました。2時30分から3時まで、毎晩7回プリンタを起こしていたことになります。5分あれば次が来る前にまたスリープに落ちうるので、起きるたびにクリーニングが走っていた可能性が高い。9月下旬に「クリーニング中」の表示を実際に見た記録もありました。
18日間で最大126回のクリーニング。こうなると、印刷そのものより捨てるインクの方が多かったのではないでしょうか。仮説ですが、辻褄はよく合います。
- 家庭で「なぜかインクが減る」ときは、印刷枚数より起動回数を疑ってみる
- 小さなジョブを時間をあけて何本も送る運用は、インクジェットには不利かもしれない
- 自動印刷の仕組みを作っている人ほど、この落とし穴に入りやすい
モノクロレーザーとの損益分岐
インクジェットの実測が出たので、レーザーと比べました。候補はブラザーのモノクロレーザーHL-L2460DWです。両面印刷と無線LANに対応していて、実売は1.3万円前後で見かけます。
トナーは超大容量のTN32JXXLで約5,000ページと公式に書かれています。純正トナーで計算すると1枚あたり4円前後でしょうか。互換トナーなら1.25円ほどとされています。
| 方式 | 1枚あたり | 本体代 | 年2,500枚の年間コスト |
|---|---|---|---|
| インクジェット(カタログ値) | 約2.0円 | 手元にある | 約5,000円 |
| インクジェット(今回の実測) | 約13〜33円 | 手元にある | 約3.3〜8.3万円 |
| モノクロレーザー(純正トナー) | 約4.0円 | 約1.3万円 | 約1万円 |
| モノクロレーザー(互換トナー) | 約1.25円 | 約1.3万円 | 約3,100円 |
実測値のままなら、レーザーの本体代は2〜6か月で回収できます。カタログ値のままなら、逆に6〜7年かかります。つまり結論は「インクジェットの実単価が3円を超えるかどうか」で決まります。
ちなみにブラザーは2026年8月6日に、一部消耗品の価格改定を発表しています。実施は10月1日からで、改定率は5〜10%程度とされています。純正インクやトナーの比較をするなら、この点も頭に入れておいた方がよいかもしれません。
それでもすぐには買わなかった理由
数字だけ見ればレーザーの圧勝です。ただ、僕はまだ買っていません。理由は、原因が「インクジェットの限界」ではなく「僕の運用」にありそうだからです。
そこで先に運用を直しました。7本のジョブを1回の起動でまとめて処理するように改修し、深夜の印刷を1本に統合しています。朝の刷り直し用のジョブと合わせても、プリンタを起こすのは1晩に最大2回。9月26日の夜から本番に入れました。
判定は数日後に行います。旧ペースでは黒が1晩に約5%減っていたので、2〜3晩で空になる計算です。もし黒が8〜10%以上残っていれば、クリーニング説がほぼ確定。レーザーは買わずに済みます。空になっていれば修正は効いておらず、単品カートリッジの購入とレーザー切替を再検討です。
こういう順番にしたのは、固定費の見直しでよくある失敗を避けたかったからです。新しい機械を買うと気持ちよく解決した気になります。ただ、原因を残したままだとどうでしょう。レーザーでも別の形で同じ無駄が出るかもしれません。
これはスマホの料金でも同じですね。端末を買い替える前に、まず今のプランが自分の使い方に合っているかを数字で見る。我が家はそれで通信費を下げました。
向いている人・向いていない人
モノクロレーザーへの切替が向いているのは、次のような家庭ではないでしょうか。
- 子どもの学習プリントなど、モノクロの印刷が月100枚を超える
- 深夜や早朝に無人で印刷する仕組みを持っている
- 印刷が「たまに」ではなく「毎日」になっている
一方で、向いていないのはこんな場合です。
- 印刷が月に数十枚で、写真や年賀状などカラーが中心
- 置き場所に余裕がなく、2台目を置けない
- インクジェットの複合機でスキャンやコピーもまとめて済ませたい
我が家はモノクロが大半なので、切替自体は十分に候補です。ただ、まず今の1台で無駄を止めるのが先だと思っています。
よくある失敗・落とし穴
残量を目盛りだけで見ている。 目盛りは4段階程度のことが多く、いつ減ったかが分かりません。数字で読める手段を一度用意しておくと、判断が早くなります。
印刷枚数だけで単価を語る。 枚数が少ないのに減りが早いなら、起動回数を疑った方がよいかもしれません。クリーニングの分は枚数に出てきません。
互換トナーの価格だけで損益分岐を出す。 互換品は安い一方で、品質や保証の扱いが純正と違います。純正の単価でも元が取れるかを先に見ておくと、後悔が減ります。
値上げ前に慌ててまとめ買いする。 5〜10%の差より、運用を直して消費を減らす方が効きます。買いだめの前に、まず今の減り方を測ってみてください。
- 累計印刷枚数と残量%を、交換日とセットでメモしてあるか
- 交換から今日までの印刷ジョブ数を、パソコンや本体のログで確認できるか
- 深夜や早朝に、小さな印刷ジョブを何本も別々に送っていないか
- 純正トナーの単価でも、本体代を1年以内に回収できるか
- 2台目を置く場所と、スキャン・コピーの行き先が決まっているか
よくある質問
Q. 残量%は本当にプリンタから読めるのですか?
機種によります。多くのネットワークプリンタは管理用の情報を公開していて、累計枚数は標準の項目で読めることが多いです。残量はメーカー独自の項目になっていることがあり、我が家では標準の項目が「不明」しか返しませんでした。本体のWeb管理画面にログインすれば見られる機種もあります。
Q. カタログの2.0円/枚は嘘なのですか?
嘘ではありません。標準の印字パターンで連続印刷したときの、カートリッジ代だけの数字です。家庭で少量ずつ、間隔をあけて刷る使い方とは条件が違うだけですね。
Q. ヘッドクリーニングはどのくらいインクを使いますか?
メーカーが公開している数字は見つけられませんでした。なので断言はできません。ただ、我が家では200枚以下で3,000枚分の9割近くが消えました。印字よりクリーニングの方が多かった可能性は高いと思っています。
Q. 印刷を1本にまとめると、本当に減りは止まりますか?
これから確認するところです。旧ペースなら数日で黒が空になるので、残っていればクリーニング説が裏づけられます。結果が出たら追記します。
Q. レーザーに替えたらインクジェットは処分しますか?
処分しない予定です。スキャンやコピー、カラーの印刷は複合機の方が便利です。モノクロの大量印刷だけをレーザーに逃がす分担を考えています。
Q. 互換トナーは使っても大丈夫ですか?
安く済む一方で、品質や本体の保証の扱いは純正と違います。ここは各自の判断になると思います。損益分岐は純正の単価でも出しておくと安心ではないでしょうか。
Q. 値上げ前に純正インクを買っておくべきですか?
改定率は5〜10%程度とされています。数千円のカートリッジなら数百円の差です。それより減り方を直す方が効くので、まず今の消費を測ってからでよいと思います。
参考にした公式情報
- MFC-J7300CDW 製品ページ(ブラザー)
- LC412XLBK 大容量ブラック(ブラザーダイレクトクラブ)
- HL-L2460DW 製品ページ(ブラザー)
- 一部消耗品の出荷価格および希望小売価格改定について(ブラザー、2026年8月6日)
まとめ
インク代は「1枚いくら」で測ると、カタログとの差がはっきり見えます。我が家の場合、差の原因は機械ではなく運用でした。レーザーへの切替は損益分岐が短いので、いつでも選べる手として残しておきます。
家庭の印刷の元になっているドリルの仕組みは、未就学の子ども向けひらがなドリルの自動生成やドリルの一括スキャンと仕分けの記事に書いています。固定費全体の見直し方は固定費見直しの始め方にまとめました。
インク代のように、気づかないうちに膨らんでいる支出は他にもあります。我が家では通信費がそうでした。プリンタの数字を読むついでに、スマホの料金も一度見直してみてはいかがでしょうか。
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