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毎晩のカード利用をAIに自動チェックさせ、『相談すべき支出』だけ通知させる仕組み

毎晩のカード利用をAIに自動チェックさせ、『相談すべき支出』だけ通知させる仕組み

Photo: rawpixel (CC0 1.0) via Flickr

おはようございます。まさきんです。

以前、AIとfreeeを組み合わせて家計を毎朝振り返る仕組みを紹介しました。今回はその夜バージョンです。その日使ったカードの利用を、寝る前にAIが自動でチェックしてくれる仕組みについて書きます。

朝の振り返りが「昨日の傾向から気づきを1つ」だとすると、夜の仕組みはもう少し性質が違います。「今日、確認しておいたほうがいい支出があるか」を、その日のうちに拾うための仕組みです。今回は判定ルールの数式や、実行時の細かい制御まで含めて紹介します。

きっかけは「大きな支出ほど後回しになる」こと

日々の細かい支出は、家計簿アプリで自然と記録されていきます。ただ、単発の大きな支出は別です。「あとで話そう」と思っているうちに忘れてしまうことがあります。

なので、金額の大きい支出だけを狙って拾い上げ、その日のうちに認識できるようにする仕組みを作りました。この仕組みは人が起動するのではなく、決まった時刻に自動で実行される「スケジュールタスク」として動いています。

自動実行だからこそ気をつけていること

決まった時刻に自動で動く以上、その場で人に確認を取ることができません。なので、実行の前提として次のようなルールを敷いています。

自動実行のタスクは「完璧に動く」ことより「毎日必ず何かしらの結果を残す」ことを優先する設計にしています。

支出を3種類に分けて扱う

すべての支出を同じ基準でチェックすると、通知だらけになって逆に見なくなります。なので、支出を次の3種類に分けて扱っています。

種類内容チェック対象か
固定費・サブスク毎月ほぼ同額で発生する支払い対象外(除外)
事前に合意済みの大きな買い物あらかじめ家族で話していた支出対象外(除外)
それ以外の支出突発的・裁量的な支出チェック対象

固定費は毎月同じなので、都度チェックしても意味がありません。事前に合意済みの支出も、すでに話し合い済みなので通知の必要がありません。チェックすべきは、それ以外の「その場で発生した支出」だけです。

固定費の代表は、家賃だったり通信費だったりします。金額がほぼ動かないからこそ、日々のチェック対象から外しているわけです。

サブスクの判定で迷う業者(単発なのか定期購入なのか判断がつかないもの)は、無理に「サブスク」に含めず「判定保留」として別に1行記録するようにしています。ここを曖昧なまま進めると、あとから集計全体の信頼性が揺らぐと感じています。

ただ、チェックから外している支出にも例外はあります。通信費のような固定費こそ、たまに見直す価値があると感じています。日々の監視は自動化できても、固定費の水準そのものは自分で動かすしかありません。

通信費という固定費を見直すという選択肢もある

「相談すべき支出」の判定ルール

チェック対象の支出のうち、一定額を超えるものだけを「相談すべき支出」として扱っています。AIに渡している指示を一般化して紹介します。

本日のカード利用明細から、次の手順で「相談すべき支出」を抽出してください。

1. 固定費・サブスクに分類済みの取引は除外する
2. 事前合意リストに登録済みの取引は除外する
3. 残った取引のうち、1件あたり一定金額(目安として1万円)以上のものを抽出する
4. 抽出した取引は「金額」「利用先」「時刻」の3項目で一覧化する

一定金額を超える取引がなければ、「本日は該当なし」とだけ回答すること。

基準となる金額は家庭によって適切な水準が変わると思います。大事なのは「いくらか」より、「事前に基準を決めておく」ことだと感じています。基準がないと、結局あとから「これは相談すべきだったかどうか」を毎回議論することになります。

同期の遅延を数値で扱う

家計簿SaaSのカード連携は、数日程度の反映遅延が常態です。連休明けなどはさらに遅れます。これを「異常」として扱うと、通知が誤検知だらけになります。なので、遅延を次の指標で数値化しています。

ステータス目安の日数意味
normal2日以内通常の反映遅延の範囲
watch3〜4日連休明けなどで様子見
delayed5〜9日長期休暇などで起こりうる遅延
stalled10日以上長期間、取引が反映されていない状態

ポイントは、stalled(長期間反映なし)を即座に「連携の不具合」と決めつけないことです。単純に「そのカードをしばらく使っていないだけ」というケースの方が、実際には多いからです。

「使っていないだけ」と「連携の不具合」を切り分ける

stalledを観測したら、断定する前に過去30日分の取引パターンを確認します。

ただし、後者だけでも即座に「不具合」と断定はしません。次の3条件がすべて揃って初めて、連携の不具合として扱います。

  1. 複数のカードで同時にstalledが発生している
  2. 実際に使った記録(レシートやメモなど)が別途残っているのに、家計簿SaaSには出てこない
  3. 家計簿SaaS側の画面で、同期エラーの表示を目視で確認できる

3条件が揃わない限りは、「N日間カードを使っていない(節約傾向の継続)」として中立的に扱い、いたずらにアラートを出さないようにしています。この切り分けを入れる前は、単に使っていないだけのカードについて「連携が壊れているのでは」と毎回不安になっていました。

外部APIの呼び出し回数に上限を設ける

自動実行のタスクなので、何かのはずみで無限にAPIを呼び続けるループに陥らないよう、1回の実行あたりの呼び出し回数に上限を設けています。

上限を決めておかないと、認証エラーなどが起きたときに再試行を繰り返し、無駄なリクエストを送り続けてしまうリスクがあります。自動実行の仕組みほど、こうした歯止めが必要だと感じています。

「異常が続いている」ことと「新しい異常」を区別する

月内の支出が目安の一定割合を超えたときに通知するルールを入れているのですが、これをそのまま日々の通知に使うと、一度超過したあとは月末まで毎晩同じ通知が続くことになります。これでは「新しく閾値を割った日」と「すでに超過していて変わらず超過している日」の区別がつきません。

なので、超過が何日続いているかをカウントし、「超過継続◯日目」という形で添えるようにしています。新規の異常と継続中の異常を区別できると、週次で振り返るときにも状況を正しく把握しやすくなります。

通知はあえて地味にしている

「相談すべき支出」が見つかった日も、通知は淡々とした内容にしています。金額と利用先を提示するだけで、良し悪しの判断はしません。

判断するのは自分たちです。AIの役割は、「見落としそうな支出に気づかせること」までだと割り切っています。

やってみて感じたこと

一番の効果は、大きな支出について「言った言わない」がなくなったことです。その日のうちに情報が共有されるので、話すタイミングを逃しにくくなりました。

一方で、基準金額の設定は最初から完璧にはできませんでした。低すぎると通知が多すぎて形骸化し、高すぎると意味のある支出を見逃します。何度か調整して、今の水準に落ち着いています。

こういう人に向いている

まとめ

固定費と合意済みの支出を除外し、それ以外の大きな支出だけを拾う。このシンプルな絞り込みが、通知を形骸化させないコツだと感じています。

同期遅延を数値化して「使っていないだけ」と「不具合」を切り分ける視点、APIの呼び出し回数に上限を設ける歯止め、どちらも地味ですが、自動化を安定して回し続けるうえで効いていると実感しています。

この仕組みが拾うのは、あくまで変動する支出です。一方で通信費のような固定費は、性質が違います。都度チェックするより、一度見直すほうが効果は長続きするのではないでしょうか。自動化と並行して、そちらにも目を向けてみようと思います。

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ABOUT THE AUTHOR
まさきん

楽天グループ勤務・デジタルマーケター(FP資格保有)

40代前半、共働き・四児の父。楽天グループでデジタルマーケターとして勤務するかたわら、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を活かして家計管理と資産形成にも力を入れている。

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